普通の捻挫じゃない! ハイアンクルスプレイン(脛腓靭帯損傷)
「足首を捻ってしまった・くじいてしまった」
足首の捻挫というと骨折などの損傷は発生しておらず、
発生頻度が最多である“靭帯損傷”を指す言葉と考えらえます。
この靭帯損傷には断裂など重症度も重要な判断材料ですが、
どの靭帯を損傷しているかということも非常に重要な判断材料です。
その中でもハイアンクルスプレイン・高位足関節捻挫と呼ばれる
”脛腓靭帯”の損傷については治療成績が悪く・完治までに時間がかかりやすい
という特徴から一般的な足首の捻挫以上に注意が必要と報告されています。
今回はそんなハイアンクルスプレイン(脛腓靭帯損傷)について
かしわだ接骨院の対応方法を中心に解説していきます。
いわゆる普通の足首の捻挫とは
足首を捻挫してしまう際にはその構造上の特徴から
内側(親指側)に捻ってしまうことが圧倒的に多いです。
その場合には外くるぶし先端の前方部分が最大限引き伸ばされ
“前距腓靭帯”という靭帯の損傷が大多数であるということは
既知の事実である非常に数多くの報告がされています。
※下記の写真における白バツ部分が前距腓靭帯にあたります
前距腓靭帯の損傷であれば心配がないということではありませんが
(靭帯が断裂していた場合など手術を選択されるケースもあります)
比較的痛みは早期に落ち着きやすく、大きな後遺症にはなりづらい
ということが一つの特徴として挙げられます。
ハインアンクルスプレインとは
ハイアンクルスプレイン・高位足関節捻挫では
その名の通り先の項目で取り上げた前距腓靭帯と比べて
足首の関節において上の部分(膝に近い部位)である
外くるぶしと内くるぶしそれぞれの骨の連結部である
”脛腓靭帯”という靭帯損傷のことを表しています。
※下記の写真における白バツ部分が[前]脛腓靭帯にあたります
どちらも靭帯という意味では同じ組織の損傷ではあるのですが
足首の関節を支える役割については大きな差があり
体重がしっかりとかかるような動き・しゃがみ込みのような動作で
脛腓靭帯には負担が強くかかりやすいことから、
特にスポーツ復帰においては時間がかかりやすく、
また後遺症のリスクが高いことから注意が必要と言われています。
ハインアンクルスプレインの対処法とは
ハイアンクルスプレインである脛腓靭帯損傷では
断裂など損傷の程度によっては手術を検討されることもあり
一般的に言われる普通の足首捻挫・前距腓靭帯損傷と比べて
ギプスなどの強固な固定や安静期間が修復のために必要となります。
この対処法が適切にされずに早期から体重をかける
歩き回るなどの負荷が加わり続けてしまうと、
脛腓靭帯の修復が進まず・足首の関節の支えが弱くなり
・いつまでたっても痛みが退かない
・体重をかけきれない・しゃがみ込めない
・足首が不安定な感じがして頼りない
などといった後遺症残存のリスクが非常に高まります。
ハイアンクルスプレインで大切なこと
足首の捻挫やハイアンクルスプレインに限ったことではありませんが、
どこの部分の損傷であるか、重症度はどうなのか
という判断を詳細にまた適切に行うことが最も重要です。
上記で解説した写真を見比べていただくとわかると思いますが
普通の捻挫で起こりやすい前距腓靭帯と
ハイアンクルスプレインである脛腓靭帯の位置関係は
せいぜい指2本程度の距離の差しかありません。
したがって痛みの部分を詳細に触りわける必要があり、
またストレステストと言って足首のどの動きで痛みが起こるか
などといったチェック方法も非常に重要です。
さらにかしわだ接骨院では最新式のエコー検査機器を導入しており
骨の問題だけでなく靭帯損傷の程度についても詳細に観察できます。
このような適切な判断・適切な対処が早期からなされれば
ハイアンクルスプレインと言っても決して怖いケガではなく、
素早い改善や後遺症なくスポーツ復帰が可能となります。
足首の捻挫についてはこちらのページも参考にしてください → 『足首 捻挫』
ハイアンクルスプレインに限らず足首の捻挫のことでお困りでしたら
初期対応から後遺症についてもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。