足首の捻挫はクセになるの真実
「足首の捻挫はクセになるから気をつけたほうがいい」
昔からよく聞くフレーズで実際に質問されることもたくさんあります。
では実際に足首の捻挫はクセになってしまうのでしょうか?
その言葉の意味と原因について解説していきます。
「足首のクセになる」という言葉が
何を表現しているか大別してみると
「足首周りの症状が残ること」
「再び捻挫をしてしまいやすくなること」
を指していることが大半かと推察されます。
足首の捻挫をしてしまった方が
これらの二つの症状を残してしまう可能性はあります。
これらの多くのケースが初期対応の失敗が原因です。
何故このような症状が残ってしまうのかについて
ここでは掘り下げて解説していきます。
症状が残ってしまった…
足首の捻挫をしてしまった後に
”症状が残ってしまう”
この原因のほとんどが初期対応の失敗です。
足首の捻挫をしてしまった際に
・見るからにはっきりと腫れがある
・痛みでスタスタと歩けない
・内出血がすぐに出てきた
このような強い症状が出現しているケースでは
初期対応として一定期間の固定処置・安静期間は絶対に必要です。
多くの場合テーピング程度の固定力では不十分です。
原則的に捻挫は足首の関節を支える靭帯を損傷したことを意味しますが、
適切な対応がされないことによって靭帯の役割である
関節を支持する・支えるという機能が低下してしまいます。
支える機能が低下した足首の関節は不安定となり
・靭帯が本来よりも弱くなり痛みを生じやすくなる
・靭帯の機能を補うために筋肉や腱に過剰な負担がかかることで”腱鞘炎”
・関節の軟骨が傷ついてしまうことによる”関節の炎症”
・それがさらに長期化してしまうと”関節の変形”
といった患部のイベントが複雑に絡み合い
捻挫の後も痛みなどの症状が
いつまでも残ってしまうことに繋がっていきます。
捻挫がしやすくなってしまった…
いわゆる”クセ”というと一番このケースが多いかもしれません。
足首の捻挫を何度も繰り返すようになってしまい
酷い方では毎日「足首がカクッとしてしまう」
という症状が残る方も見受けられます。
既に上記の項でも説明した通り
初期対応が十分にされなかった場合には
捻挫で痛めた靭帯が上手く修復されずに
足首を支えるという機能が低下しています。
こうなってしまうと、ちょっとした段差や高いヒールを履いた際に
足首がガクっと捻じれやすくなるということがあり得ます。
どこからが捻挫の範疇に含まれるかという点は規定が難しいですが、
このような不安定な足首となってしまうことは
足首捻挫後の症状・後遺症として珍しいことではなく、
いわゆる”足首の捻挫がクセになる”という表現の
最も一般的な症状であると考えられます。
”クセ”とは足首の関節機能の低下
”足首の捻挫がクセになる”という言葉を
医学的に表現するならば
初期対応の悪さが招いた”足首の関節機能の低下”と言えます。
そもそも足首では重度の骨折など一部のケガを除いては
初期対応をしっかりして、適切なリハビリが行われれば
足首についての症状を残してしまうことは原則ありません。
足首の捻挫に対して
レントゲンを撮影して骨に異常ないからと
湿布や痛み解けだけを渡されて特に固定もされず
・なんとなく楽になって
・なんとなく動けるようになって
・なんとなく症状が残っている
そんな『なんとなく療法』が
整形外科などの病院ではびこってしまっているため
足首の捻挫後に後遺症を残してしまうことが多く
足首の捻挫はクセになるといった
言葉が広まっているのではないかと考えられます。
”足首の捻挫がクセになる”のまとめ
繰り返しになりますが、
いわゆる足首の捻挫はクセになるという言葉は
医学的には足首の関節機能の崩壊です。
そうならないためにはとにもかくにも
適切な固定による初期対応がなにより重要です。
また慢性的に症状が残ってしまっているケースでは
足首周りや足のアーチに関する筋肉のトレーニング
運動や長距離移動の際にはサポーターやインソールを
上手く活用することで症状を抑えられることは多いです。
しかしこの場合でも靭帯が強くなるまでの効果は期待できず
初期対応を適切に行った場合に比べれば
足首の安定性は弱い状態に留まってしまうのです。
足首の捻挫についてはこちらのページも参考にしてください → 『足首 捻挫』
繰り返してしまう足首の捻挫や長引く痛みなどといった
足首の捻挫後から続く症状でお悩みの際にはお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただいてありがとうございました。