ケガしたらアイシング!はどこまで有効?
アイシングという行為は
医療機関での治療方法というよりも、
ケガ直後のスポーツ現場などで
一般の方にも簡単に行える応急対応として
多く用いられている行為かと思います。
しかし、その簡便性や扱いやすさから
”過剰に用いられてしまっている”
と危惧される状況も取りざたされています。
今回はそんなアイシングについて
正しい理解と正しい適応を知って
上手にアイシングを利用してもらえるよう
解説をさせていただきます。
アイシングの効果は?
まず大原則として理解していただきたいことは
アイシングを行ったからといって
ケガをして傷ついた組織が
修復を早めるといった効果はありません。
アイシングの目的は炎症や熱・代謝を抑えることです。
したがってケガへの対応手段としてアイシングを用いた場合にも
その効果が必要な時期というのは
ごくごく短時間かつ短期間であり、
最初期の炎症期を過ぎても(通常2・3日、長くても5日とされています)
長期にわたってアイシングをだらだらと続けるという行為は
有益とは言えないようです。
加えてケガをした直後に
痛みや炎症を最も取り除ける行為は
適切な範囲で関節の動きを止める”固定処置”です。
アイシングよりも遥かに痛みを抑えることができます。
そして固定処置をすることによって、
傷ついた組織に余計なストレスがかからないことが
その後の組織修復を促すことにもつながり、
その後の早期回復への効果が期待できます。
アイシングが効果的なタイミングは?
アイシングにおける最大のメリットは
保冷剤や氷など身近なアイテムを使って
誰でも簡単に行える応急対応であるということです。
・ケガをした直後に医療機関を受診する前に
一次的にでも痛みを抑えるためにアイシング
・医療機関で固定・安静などの対応をしてもらった後にも
初期炎症が強くズキズキと痛む場合にアイシング
・スポーツなど激しい動きが加わった際に
患部が熱をもつことで組織を壊すような反応を最小限に抑えるためにアイシング
アイシングの活用機会は上記にあげたようなタイミングのみ
限定的に使用するくらいで十分ではないかと考えられています。
炎症が落ち着き、修復が進んで組織の強度が向上した後には
徐々に固定強度を軽くして、活動量を増やし、
固くなってしまった関節の動きを改善し
筋力強化やバランス強化などの
リハビリに移行していくことが何より重要で、
このタイミングを見極めることが
修復・回復を早めることにつながります。
この時期にアイシングを行う意味はほとんどなく、
修復のために栄養を患部に送ってあげたい
→ほとんどの栄養は血液から運ばれる
→患部への血流量をあげたい
したがって温熱療法や積極的な入浴が大切な時期となります。
アイシングのまとめ
接骨院・整体院・トレーナーさんなどといった方の中には
いつまでもとにかくアイシングアイシングアイシング・・・
といった指導を続けている方もまだまだいるようですが、
昨今ではその効果について(特に長期的な使用に関しては)
疑問視される見解が多数く報告されています。
かしわだ接骨院でもアイシングを使わないわけではありません。
アイシングに効果はない!と極端な見解をしているわけではなく、
効果が期待できる適切な時期を見極めることが
アイシングの効果を高めてくれるものと考えております。
一般の方も用いることが多いアイシングの有効性について
ケガやスポーツ後の応急対応の少しでも参考になれば幸いです。
最後までご覧いただいてありがとうございました。