肉離れ・筋挫傷
肉離れ・筋挫傷
肉離れってどんなケガ?
肉離れというとどなたでも一度は聞いたことのあるような馴染みのある言葉だと思いますが、その病態は意外と複雑で最近になってわかったことも多くあります。
まず肉離れはどういった病態なのかをまず解説していきます。
筋肉を直接打ち付けた損傷に関しては筋挫傷と分類されます。
筋挫傷に対して肉離れは身体の動きによって筋肉が腱や腱膜から引きはがされてしまったことを言います。
これが比較的最近わかったことなのですが、筋肉そのものが引きちぎれてしまうわけではなくて筋肉がくっつく腱や腱膜から引きはがされてしまうのが大半のようです。
どんな時に肉離れが起こるの?
筋肉がある場所では原則どこでも起こりえますが、圧倒的に脚の筋肉に多いです。
競技別にみると陸上競技が最も多く、瞬発的に力強く動くような動作・よくあるのがダッシュをする瞬間などに発生することが多いです。
アキレス腱断裂にもいえることですが、肉離れをしてしまった方の調査では筋肉の張りや固さを感じていた時に発生率が高かったようです。
一般的な対処方法
肉離れへの対処方法ですが、ほとんどのケースで手術の必要なく修復されます。
最も重症度の高い”肉離れ”は筋肉と腱がくっついている骨から引きはがされてしまう場合です。
この場合には引きはがされた腱がその勢いでくっついていた骨から離れていってしまう事があり、ハイレベルでスポーツ競技を行っているアスリートなどでは唯一手術が検討されます。
肉離れの注意点
「ほとんど手術をしなくても大丈夫なら、危険性もなくすぐに回復していくだろう」と思うかもしれませんが、肉離れで一番気をつけなければいけないのは肉離れを起こした際に発生する出血による皮膚の下の血の塊(血腫)です。
血腫といわれてもあまりイメージが涌きづらいかもしれませんが、液体に近い成分が筋肉や腱の間にずっと存在してしまうといいことは起こしません。
修復するためには液体から線維状になってくれないと上手く筋肉や腱の組織に戻れないのです。
なので液体の状態が長く続くと本来なら筋や腱の組織に戻るはずの場所に骨ができてしまうことがあります。
これを『骨化性筋炎』といい上手く筋肉が伸びない・上手く力が入らないなどの症状を引き起こすことになり、症状が強ければ骨を取り除くために手術をすることもあります。
骨化性筋炎が起きてしまっている特徴として
- いつまでも痛めた部分が熱を持っている
- 動かした時だけでなく、何にもしていない時にもうずくように痛む
- ケガをしていない方と比べてツッパリ感が強く関節が全然動かない
この様な症状がでている場合は非常に危険です。必ず一度は医療機関を受診してください。
エコー観察が重要!
この血腫の存在を確認することはレントゲンでは難しく、エコー検査機器・もしくはMRIが必要になります。
簡便さや費用を考えるとMRIを頻繁に行うことはトップアスリートでもなければ難しく、第一選択はエコー検査機器であることは間違いありません。
何が言いたいかというと、肉離れの判断をするにしても、その後の治療をしていく上でもエコー検査機器はもはや必須と言えるようになっています。
なので、エコー検査機器も設置せずに肉離れの施術を行えるように謳っている接骨院・整体院での施術はできるだけ避けた方が賢明です。
血腫の有無もわからずにマッサージなどをしてしまうことは骨化性筋炎を助長させる刺激にもなってしまうのです。
時期によっては恐ろしい事につながってしまいます。
上記に述べた骨化性筋炎も完成すればレントゲンにも映るようになりますが、骨になりかけでカルシウムが結晶化しかけている段階には映りません。
この場合にもより早期からエコー検査機器では観察が可能になるのです。
かしわだ接骨院での対応
血腫を抑えるためには初期は安静と・圧迫が非常に重要となります。
肉離れの重症度に応じてギプスからテーピングなどの固定を選択します。
また2・3日、長くても5日まではアイシングを使用してもいいかもしれません。
そして患部に伸ばす刺激は早めから与えていきます。
肉離れをするとクセになってしまうような話を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、柔軟性を早期からしっかりと出して、元の筋肉や腱組織の機能を取り戻してあげることが大事なのです。
また、しっかりと柔軟性を取り戻せたのであれば筋力の回復も図っていきます。
この二点を念頭に適切にリハビリが行えたのであれば、クセになるようなリスクはかなり軽減されます。
肉離れ・筋挫傷の事でお悩みでしたらどうぞお気軽にご相談ください。