アキレス腱のあたりが痛い… それって三角骨障害かも
スポーツや歩きすぎの負担によって
はたまた足を捻ってしまったことによって
アキレス腱のあたりに痛みを感じる
ということはわりとよくある症状です。
アキレス腱は見た目にも分かりやすいですし
患者さんご自身でもその部分の問題かなと
認識しやすい印象はありますが、
同じような症状を引き起こす障害として
三角骨障害はご存じでしょうか？
アキレス腱周辺が痛いと
アキレス腱炎（周囲炎、付着部炎）などと
安易に診断・判断されてしまい、
ややめずらしい三角骨障害については
見落とされてしまうことも多いのです。
今回はこの三角骨障害について解説していきます。
三角骨ってなに？
まず三角骨とは何かについて解説します。
身体には大小さまざまな形の骨が存在していますが、
その中に”過剰骨”といわれる
特定のヒトにだけ存在するような骨が
全身の中でも足には特に多く報告されています。
三角骨はその”過剰骨”の一種であり
足の全過剰骨中で発現率は第２位と言われていて
決して少なくはない方に存在していると言えます。
この三角骨が存在する箇所は決まっており
足首の中心にある距骨という骨の後方部分にあたります。
（一番上の写真にある黄色の丸印の部分です）
この場所はまさにアキレス腱の深部に該当し、
アキレス腱のあたりに痛みが生じた際にも
アキレス腱に関わる痛みだろうと
間違った対応が行われているケースが
残念ながら相当数みられるのです。
三角骨障害の原因・症状は
三角骨が存在している方が
必ずしも痛みを起こすわけではありません。
・足首を捻ってしまった
・スポーツで負担が急に増えた
・普段以上にたくさん歩きすぎた
などといった日常のでの刺激に反応して、
痛みが生じ始めるといった原因が一般的です。
三角骨の痛みは
足首の後方・アキレス腱の奥に存在する三角骨が
足首を下側に伸ばすことによって
すねの骨（脛骨）とかかとの骨（踵骨）との間で
挟み込まれる刺激によって生じるとされています。
このような刺激・衝撃が捻挫で加わることもありますし、
スポーツで言えばサッカーやバレエダンスといった
足首を下に強く伸ばす動きの繰り返しで
発生するリスクが高いことが報告されております。
三角骨障害の症状としては
・アキレス腱そのものを押してもあまり痛くない
・足首を下に伸ばした時に痛みがはっきりと感じる
などが特徴的と言えます。
これはアキレス腱炎とは異なる特徴で
三角骨障害を疑う判断材料にもなります。
三角骨障害の対処法について
三角骨障害の対処法としては
足を伸ばす動きを制限することが
程度の差こそあれ多くのケースで必要となります。
重症度に応じてテーピングもしますし、
就寝時だけギプスを着けることもあります。
当初の痛みが落ち着いたその後には
足首まわりの筋力強化・動きの範囲を広げる
などのリハビリが重要となります。
このようなリハビリを適切に行うことが
症状の緩和だけでなくその後の再発予防にも繋がります。
ほとんどの三角骨障害では適切な対応で
改善していくことが期待できますが、
症状が非常に強い・長期間に渡り続いているなど
様々な対応をしても症状がなかなか退かない…
といったケースには三角骨を取り除くといった
外科手術で対応するケースもあります。
どんな手術でも当たり前のことではありますが、
手術をしたからといって直後から
きれいさっぱりなんともない状態になることはなく、
完治までに数カ月は必ずかかってしまいますから
その前段階で適切な対応を早期から図ることが
最も大切なことと考えております。
三角骨障害のまとめ
アキレス腱のあたりが痛いという方でも
三角骨による障害が疑われる場合には
触診や手で行う様々な検査に加えて、
最新式のエコーを使った患部のチェックも行います。
この方法で三角骨はほぼ判断できるのですが、
さらに必要性がある場合には提携医療機関へ
MRI・CTといった精密画像検査の依頼も随時行っております。
アキレス腱あたりの痛み・三角骨障害かもしれない…
とお困りでしたら些細なことでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただいてありがとうございました。
