野球肘は「どの部位の障害か?」が最重要!
野球・特にピッチャーというポジションは
他の様々なスポーツと比べても
肘に強い負担がかかる事は一つの特徴です。
そのような特徴から
大人の選手でも子供の選手でも
野球で肘を痛めてしまう
というケースが非常に多いのです。
そうしたケースを一まとめにして
”野球肘”と名付けられているのです。
つまり野球肘は総称です。
整体院や整骨院はもちろんのこと
病院でも”野球肘”と大雑把な表現で
対処されていることが未だに多いのですが
その中には手術のリスクが高い障害もあり
適切な区分と重症度についての判断が必要です。
今回はそんな野球肘の部位別の分類と
注意すべき障害のポイントについて解説していきます。
内側の野球肘
医学的な肘の内側とは
小指側の部位のことを表します。
内側の野球肘は年齢別でも
様々な障害があるのですが
代表的なものには靭帯損傷と
裂離(剥離)骨折が挙げられます。
耳にすることの多い
プロ野球選手の肘の手術の原因は
ほとんどが内側の靭帯損傷(断裂)です。
しかし、子供の野球肘では
手術まで必要になるケースは
それほど多くはありません。
無理をすれば騙しだましでも
プレイができてしまうため
進行的に障害が複雑化・重篤化
してしまいやすいといった点は
注意点としてあげられます。
後方の野球肘
医学的な肘の後方とは
肘の一番出っ張っている部分(正しくは肘頭と言います)
のことを表します。
後方の野球肘で代表的な障害では
疲労骨折と筋肉・腱の障害が挙げられます。
後方の障害では
症状を無視したり・見逃されたり、
よほど悪化していなければ
手術で対応することは稀であり
他の部位の野球肘と比べて回復しやすい
ということは特徴として挙げられます。
外側の野球肘
医学的な肘の外側とは
親指側の部位のことを表します。
外側の野球肘の障害の多くが
子供の時期に発生します。
離断性骨軟骨炎と言って
骨や軟骨が剥がれ落ちてしまい
関節の中に入り込んでしまう
(いわゆる”関節ネズミ”の状態)
といった障害が代表的です。
ここまで障害が進行すると
もちろん手術での対応が必須となりますが
肘が完全には動かなくなるなど
手術をしたとしても日常生活レベルでも
後遺症状を残すことも多いです。
最も注意するべき野球肘は?
以上の説明でもおわかりかもしれませんが、
最も注意すべき野球肘は
外側の野球肘・離断性骨軟骨炎です。
しかもこの障害は厄介なことに
離断性骨軟骨炎の最初期には
ほとんど症状がありません。
つまり、症状が出始めた時には
もう障害がかなり進行している
といったケースも少なくないのです。
そのような特徴から
最近では野球肘検診と言って
症状のある・なしに関わらず
草野球チームの少年・少女野球選手を対象として
野球肘をチェックする活動も報告されています。
野球肘検診とは
最も危険性の高い野球肘である
外側の野球肘・離断性骨軟骨炎を
手術を必要とする前段階である
最初期の状態で発見するためです。
しかもこの最初期の状態というのは
整形外科や病院で最も一般的な検査である
レントゲン検査だけでは
発見することが難しいことが報告されています。
この最初期の離断性骨軟骨炎の判断に
超音波(エコー)検査機器での
チェックが推奨されています。
草野球の現場である屋外でも
扱いやすく・持ち運びしやすい
また被爆といった危険性もないエコー観察は
正にうってつけの存在と言えます。
かしわだ接骨院では
野球肘検診で用いられるような
最新式のエコー検査機器を導入しており
同様の対応はいつでも可能です。
野球肘のまとめ
”野球肘”という言葉は総称であり非常に曖昧です。
「野球肘ですね」という説明だけで
施術を受けている場合には
上記のような危険な野球肘について
見逃されている可能性もあります。
かしわだ接骨院では
エコーでのチェックだけではなく
提携する医療機関での
MRI・CTでの検査依頼をはじめ
野球肘の原因を詳細に判断した上で
適切な対応を心がけております。
野球肘の心配や症状についてお悩みの方は
些細なことでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただいてありがとうございました。