「膝がガクっとした!」 それってお皿が外れているかも…
スポーツでの急な動きの際や
ちょっとした方向転換・段差や傾斜で
「膝がガクっとした!」
痛みを伴う事もあるけど、
大抵はその場だけの症状で
すぐに収まるからあまり気にしていない。
こんな症状を抱えている方いらっしゃるのではないでしょうか?
これだけの症状であれば
日常生活に大きな支障をきたすことはないので
医療機関にかかったことはないという方も多いかもしれません。
しかしこの症状には危険なことも少なくないのです。
膝を支える主要な靭帯である前十字靭帯や
太ももとすねの骨の間にある半月板という軟骨組織が
損傷することで起こることも考えられますし、
もう一つの多い原因としては
膝のお皿が外れてしまう(脱臼してしまう)
といったケースも考えられます。
今回は膝のお皿(医学的に正しくは膝蓋骨と言います)が
簡単に外れてしまう・脱臼してしまう
膝蓋骨不安定症について解説していきます。
膝蓋骨不安定症とは
人の顔が人それぞれ違うように
身体の造りや構造も全く同じという事はなく
特に膝の関節はそういった構造の違いによる症状が
全身の中でも出やすい部位と言えます。
膝蓋骨・膝のお皿の骨は
太ももの骨(医学的に正しくは大腿骨と言います)の
窪みにはまり込むように
写真のように”膝蓋大腿関節”という関節を形成しています。
この大腿骨の窪みの深さや形状には
かなりの個人差があります。
この関節・窪みが平らで浅い方ですと
膝蓋骨が外れやすい・脱臼しやすい
という特徴をお持ちの方が存在します。
ちなみに男性よりも圧倒的に女性に多くみられます。
このように膝のお皿が外れやすく
そこから不安定な感じや痛みを生じる障害が
”膝蓋骨不安定症”と称されます。
膝蓋骨不安定症の経過
上記の項でも説明した通り
膝蓋骨と大腿骨とは関節を形成しています。
脱臼をしやすいということは
戻りやすいという特徴も
同時に備えていることでもあります。
膝がガクっとなってもあまり痛みも感じずに
すぐに日常生活は問題ないという
症状程度で収まることも多いです。
しかし組織がダメージを受けていないかというと、
そういうわけではありません。
本来なら膝蓋骨が外れないように
しっかりと支えている靭帯などが
外れるたびにどんどん伸びてきてしまい
最終的にほとんど機能しなくなります。
膝蓋骨と大腿骨との関節の間には
他の関節と同様に関節がスムーズに動くため
軟骨組織が存在します。
脱臼してしまうような衝撃は
この軟骨組織も徐々に傷つけてしまいます。
その程度や回数にもよりますが
徐々に組織が壊れてしまう事で
関節の炎症や変形につながり、
膝がガクっとなってもすぐ収まるだけだった症状が
・痛みが長く続き収まらない
・膝の動きが悪くなってきた
など徐々に悪化していくこととなります。
膝蓋骨不安定症への対処法
生まれつきに不安定な
膝蓋骨や大腿骨の関節の形状を変えるという事は
残念ながら難しいです。
膝蓋骨の脱臼を何度も繰り返しているような
重症例では手術で対応することもあり得ます。
手術でも骨の形状をどうにかするわけではなく
支える組織を再建するということが多いようです。
したがって、
膝がガクっとするという症状を
経験したことがある方は
もうその時点でご自身の膝が元々
弱いということを認識していただいて、
その膝と上手く付き合っていく方法を
ご自身が習得していくことが
何より重要と考えています。
膝がガクっとなるという回数を
重ねれば重ねるほど
間違いなく状態は悪化していきます。
そして重症化してしまった膝には
できる対処法も限られてきます。
そうならないように
膝がガクっとなることがある
少し痛みが出ることがある
といった程度の症状の内に
適切な医療機関にて相談していただくことが
何よりもまず必要です。
かしわだ接骨院では
エコー検査機器などを用いて重症度の判断も行い、
安静固定やリハビリ対応も随時行っておりますが、
状態に応じて追加検査・手術の検討を含め
専門医の先生への紹介まで行っております。
「膝がガクっとなる」や膝蓋骨不安定症のことで
お悩みがありましたら些細なことでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。