肩の骨折（上腕骨頚部骨折）は手術しない方がいい？
肩周りで発生する骨折というと
鎖骨（の骨折）と並んで多いのは
腕側の骨の一部である上腕骨頚部骨折が挙げられます。
骨折した際の骨のズレなどの状況によっては
手術が選択されることも多い骨折ですが、
積極的に手術しない方法を推奨している
ドクターが存在することでも有名な骨折です。
そんな上腕骨頚部骨折について
当院で行っている手術しない方法を中心に
私見を交えて解説していきます。
上腕骨頚部ってどこなの？
上の写真の黄色で囲った部分が上腕骨です。
肩から肘にかけての骨のことを表しています。
黒の波線が書かれた部分が上腕骨頚部に当たります。
この上腕骨に限ったことではありませんが
骨はよく見るとくびれている箇所が存在します。
骨のくびれた弱い箇所に強い外力が加わることで
骨折が発生しやすいという特徴があります。
上腕骨頚部も正にそのようなくびれた箇所であり
転倒してしまい肩を打ち付けたり、手を強く衝いてしまった際に
肩周辺部分で骨折が発生しやすい箇所として知られています。
上腕骨頚部骨折の特徴は？
年齢的な特徴として子供と高齢者に多い骨折です。
肩にまつわるケガはたくさんあるのですが
子供のうちは骨の発達が未成熟なために
その他のケガよりも骨折が発生しやすい。
高齢者になると逆に骨の強度が減少するために
その他のケガよりも骨折が発生しやすい。
というのが年齢における特徴と言えます。
年齢での特徴も違えば折れ方も随分異なります。
子供の場合には回復力が旺盛ということもあり
手術になる事はかなり稀なのですが、
高齢者の場合には折れ方が激しくなることも多く
手術を選択されるケースもまた多くなります。
なぜ手術しない方法が推奨されているのか？
手術の方法については割愛しますが
手術をすることで骨の形を綺麗に戻すことが可能です。
しかし、肩という全身の中でも特に動く範囲が広い・大きい関節では
手術で皮膚を切り開いたり、プレートなどの人工物を入れることで
関節が固まり・動きが悪くなりやすいという特徴があります。
特に年配の方では元々、肩関節の不調を抱えている方も多く
骨折は手術をしたことできれいに戻ったはずなのに、
肩がほとんど上がらず日常ではまともに使えない．．．
肩を動かした時や夜間の痛みがなかなか落ち着かない．．．
などといった症状が残ってしまうことが問題視されています。
このことを考慮して手術で骨の形を整えるよりも
手術はしない選択をして骨の形状はズレたままでも
関節が固まらないことを最重要視して
超早期からリハビリを開始・続けることで
最終的な肩関節の状態は手術をするのと変わらない・
むしろ有利であるということが報告されており、
原則どんな上腕骨頚部骨折も適応とされています。
かしわだ接骨院の取り組みについて
かしわだ接骨院では上記の理論も当然把握していますが、
骨の形状についてもできるかぎり元の状態に近づけて
良い形状を維持できるように適切な固定を施した上で、
可能な限り早期からリハビリを行っていきます。
もちろん骨折の程度（折れ方や粉砕の程度）は考慮しますが
基本的にほとんどの上腕骨頚部骨折が適応と考えており、
手術と手術しない方法との良いとこどりのような方法で
より良い結果を残せるよう随時対応しております。
上腕骨頚部骨折についてお悩みがありましたら
手術後の関節の固さ・痛みなどについても対応しておりますので、
些細なことでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
